影水駒の特徴

 影水の駒の特徴は、豊島の字母紙をベ ースに、よりするどい現代感覚の字母に 変化をさせたところでしょう。
 どちらかというとオーソドックスであ った豊島字母紙の文字の、「入り」「出」 に装飾を施し、より鋭く、より綺麗に仕 上げていきました。
 よく、影水の駒は、「化粧がうまい」と 表現されます。豊島の「すっぴん」の文 字に化粧をして、より綺麗に見せた影水 の駒に対するプロデュース力は、それま での駒になかったレタリング的な正確さ を持ち、人気を集めてゆきます。
 順調に駒つくりに励んでいた幹太郎は 昭和30年後半になると、駒つくりの天 才としてもてはやされますが、昭和47 年に43歳の若さで肝硬変により急死し てしまいます。